経糸の整経が終わると、織り機におまきを取り付け、古い糸と新しく整経した糸を一本ずつつないでいきます。
八王子に織物工場があった頃、こうした作業は「結ぶ」ことを専門にする方にお願いしていました。おそらく、あちらこちらにあった織物工場を回りながら仕事をしていたのだと思います。
糸綜絖を使用していた頃は、天蚕の糸など繊維の強い糸で織ったあと、綜絖の糸が切れやすくならないよう、すべての糸を外し、もう一度新しい綜絖に通し直す「ひっこみ」と呼ばれる作業も必要でした。その作業にも、専門の方々がいました。
綜絖の糸を付け替えることを専門にする家もあり、年に何度もふるいを持って行った記憶があります。
その後、糸綜絖は金属のものへと変わり、切れることがほとんどなくなりました。ぜんぶ糸を外す作業もなくなり、今では古い経糸と新しい経糸を結びつなぐだけで、次の布へ進めるようになりました。
糸のふるいも、糸を付け替えるための道具も、今も工場に残っています。
いつかまた、新しいものをつくり出すときに必要になるかもしれない。そんな道具のひとつです。


